人生相談所 in 奈良
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2016.03.30

人生相談員 50人大会議!part2<イベントレポート>

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3月19日(土)に「人生相談員50人大会議!part2」を開催しました!
当日は、雨にも関わらず多くの方にご参加いただきました。

1月に開催した「人生相談員50人大会議」。
大好評につき開催した今回のテーマは「奈良ならではの若者支援を研究する」。

若者支援業界のトップランナーである、
「認定NPO法人育て上げネット」理事長の工藤啓さん
公共政策を専門とする社会学者の西田亮介さんを東京からお招きし、
若者支援の最前線を学び、奈良における若者支援の新しいカタチを模索しました。

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まずは、社会学者の西田さんから。
2014年に工藤さんと共著で出版した「無業社会−働くことができない若者たちの未来−」の内容を基に、
無業社会が形成されてきた歴史的背景についてのお話がありました。

無業社会が成立する要因として「労働市場・福祉システム・政治システムの機能不全」を挙げ、
若年無業は個人の問題ではなく社会の構造の中で生まれている社会課題だと理解が深まる内容でした。

最後には、「若年無業の若者に対して寛容な社会をつくる為には、
行政だけでなくまちの状況に詳しい方々が包摂にむけた取り組みを行っていく必要がある」と締めくくりました。

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続いて、育て上げネット理事長の工藤さん。
若者支援の現場で色んな若者と関わってきた経験から、
支援機関に来所した2,200名のデータを分析し「若年無業者白書」としてまとめる取組をしています。
そのデータを基に、無業状態にある若者の特徴や傾向をわかりやすくお伝えいただきました。

最後に、工藤さんが無業状態にある若者像を分かりやすく分析した理由について以下のように語りました。

「若年無業の問題を社会化していかなければいけないんです。

 そのために、若者支援に携わる者は社会に働きかけていかなければならない。
 世の中には様々な人がいるので、
 例えば経営者であれば数字で表すことで響くし、
 詳細な事例を知ることで感情が揺さぶられる人もいます。
 人に合わせた様々な切り口の伝え方が必要なんです。

 若年無業の問題を社会化するために市民の方が出来ることもあります。
 まずは、若者と直接接して、本当の姿を知ること。
 レッテルを貼ることが出来るのは、そのような人が自分の身近にはいないから。
 働いていない若者は、全員が怠けているわけじゃないんだということを伝えられる人は、
 非常に重要な存在だと思います。

 次に、支援が必要な若者の掘り起こし。
 支援機関に来てくれる人はいいけど、支援機関に来れない人の方が大変だったりします。
 なので、身近にそういう人がいたら情報を伝えるというだけでも非常に重要なことです。

 最後は社会貢献的に関わるということ。
 ボランティアとして関わるとしても自分にメリットがあることは非常に重要なことだと思います。
 リスクや負担だけを負って関わるというのは難しいですよね。
 例えば、『会社でいい人を採用したい』『寂しいから誰かと話したい』という理由でもいいんです。」

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ゲストからのお話の後は、参加者同士で感想シェア。

「若者の無業の問題は、日本社会全体の構造的な問題なのだと初めて知った」

「相手によって発信の仕方を工夫するという発想はなかった」という声も。

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続いては、ゲストのお二方と人生相談所を運営するNPO法人スマイルスタイル代表の塩山を交えたクロストーク。

最も盛り上がったのは「地域住民に出来ることは?」というテーマでした。
塩山がテーマを切り出すと、工藤さんから育て上げネットでの面白い取り組みについてお聞きすることが出来ました。

塩山「昔、民生委員を100人集めて研修をした時に若者支援の話をしたけど、
なかなか社会全体の問題だという認識を得られなかった。
それだったら、既存の仕組みではない、
自ら手を挙げて若者を支えていくようなコミュニティがあってもいいんじゃないかと思うんです。」

工藤「東大の先生が、まちの維持発展と若い人の維持発展は両輪だと言ってました。
地域に関わるのはとてもコストがかかるけれど、お金では手に入らないものがあるんです。
うちの組織の地域担当のスタッフは『若者がいなくて困ってることありませんか?』って聞いて回っています。
大事なポイントは、相手が困ってることに対して若者の力を貸して、その後に働いていない若者だということを伝えることです。
先に就労支援をお願いするのではなく、若い人が力を貸すという話からすると、地域といい関係が築けるんです。」

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最後に、全体を通じての学びを参加者同士でシェア。

「単に若者に対して手を差し伸べるというのでなく、
 社会の各プレーヤーに対して若者を上手く活かす提案をしていくことが大事!」

「若年無業の問題を自己責任で終わらせずに社会化するためにはどうすれば…」

各グループの議論が白熱し、時間いっぱいまで盛り上がっていました。

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今回の人生相談員50人大会議では、
私たちスタッフも多くの学びのある2時間となりました。

奈良のまちで若者を支える仕組みをつくっていくために、
前回と今回の「人生相談員50人大会議!」を通じて出会ったみなさまのお力を借りながら、様々な取り組みを仕掛けて行きたいと思っています。

これからも、引き続きどうぞよろしくお願いします!