3/19 働きたい!ワカモノ応援会議in奈良<イベントレポート>
3月19日(日)に「働きたい!ワカモノ応援会議in奈良」を開催しました!
昨年開催し好評をだった「人生相談員50人会議」の第三弾として開催した今回のテーマは、
「おせっかいな大人が地域を変える!」。
当日は、30名を超える「おせっかいな大人」のみなさまにお集まりいただき、
地域の「おせっかいな大人」ができる可能性についてみなさんと一緒に考えさせていただきました。
今回は、地域のボランティアによる就労支援「静岡方式」を実践されている静岡県立大学の津富宏さんをゲストにお招きし、「おせっかいな地域をつくる就労支援」をテーマにお話を伺いました。
その後、静岡の先行事例をもとに人生相談所の1年間を振り返る活動報告、会場のみなさんと一緒にワカモノを支えるためのアイデアを出し合うワークショップの3部構成のプログラムを行いました。
まず第1部では、津富さんが静岡で実践している「静岡方式」の取り組みを踏まえた、「おせっかいな地域をつくる就労支援」についてお話を伺いました。
静岡方式は「どんな人でも働ける」という信念のもと、働きたいけど働けない若者に、一般市民が地域のボランティアとして寄り添い、単に仕事に就くことだけではなく、働き続けることを支える就労支援のしくみです。
「静岡方式」における支援のポイントは、圧倒的な善意で背中を押すスタイルで「若者に寄り添う」、「本人の好み(好きなこと・好きなもの・好きな人)を大切にする」というもの。それ以外に特別なルールはなく、その支援内容は人それぞれで異なるそうです。また、若者と住まいが近いボランティアスタッフが若者を担当するという点に見られるように、市民のネットワークによる、まさに“地を這うような”伴走型支援がその特徴です。
この「静岡方式」を展開しているのが、津富さんが理事長を務めているNPO法人青少年就労支援ネットワーク静岡。青少年就労支援ネットワーク静岡は、地域社会こそ資源のオアシスという信念のもと、ボランティアによる相互扶助のネットワークで地域を埋め尽くすことで、制度の隙間に落ちないセーフティーネットを持つ「おせっかいな地域社会」を実現する取り組みを行っています。
津富さんのお話のなかで最も印象的だったのは「相互扶助」というキーワードでした。誰もが無職になる可能性がある不安定な社会においては、地域で助け合って持続可能な支援をする仕組みこそが必要となると再認識しました。
第2部では、奈良若者サポートステーション(働きたい!ワカモノ人生相談所)の1年間の取り組みを振り返りました。
職場体験コーディネーターの馬渕から、人生相談所にはどんな若者が訪れているのか、最大の特徴である体験メニューを通して若者にどのような変化があって、就労に向かって動き出し、就職に結びついているのかを説明させていただきました。
商店街のイベントのお手伝いをするようなボランティア体験から、実際に企業の仕事現場で行う職場体験まである多彩な体験メニューは、以下の2つの役割を担っています。
①若者就労支援の課題の一つである「入り口」の部分、すなわちワカモノが支援機関につながる・通うキッカケを作ること
②社会経験が少ないために自分がやりたい仕事のイメージが持てないワカモノが、その体験で人と触れ合って多様な生き方を学ぶことを通して、自分の方向性に気づくキッカケを作ること
最後に、そんな体験の機会を奈良の地域にもっとつくっていくために、
参加者のみなさまにご協力のお願いをさせていただきました!
第3部では、実際に静岡方式の就労支援を実際に体感してみようと、実際に人生相談所を利用しているワカモノに対して参加者のみなさまができることを一緒に考えるワークショップを行いました。
ワークショップでは、まず参加者からワカモノに対して「好きなこと・好きなもの・好きな人」をヒアリング。
上の写真のグループではワカモノから「野球」というキーワードが出たので、その野球にまつわることで、ワカモノが「外に向けて動いていける、自信がつく、人間関係が広がる」ためのアイデアを出し合いました。
最後に出し合ったたくさんのアイデアの中から、これはいいと思えるものを参加者が5つまで絞り、ワカモノに実際にやってみたいアイデアを選んでもらいました。
グループ内では実際に「こういうところを知ってるから紹介できるよ」といった話が生まれており、嬉しい光景でした。
実際にワークショップで皆さんから“おせっかい”のアイデアをいただいた若者からは、「自分のことを応援してくださる皆さんの気持ちがありがたかった」という感想もあり、私たち人生相談所スタッフとしても目指すべき方向性を再確認できた1日になりました。
今後も、地域のおせっかいなみなさんとのネットワークを広げ、ワカモノをサポートしていく仕組みをつくっていきます。
これからも、引き続き応援のほどよろしくお願いします!