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vol.05【先輩インタビュー】日産工業 藤村さん「やっと続けられることに出会えた。“とりあえずやってみよう”を重ねて、今がある」

2023年4月3日

奈良県は磯城郡に、特殊な機器や専門の作業棚などをフルオーダーで受注製作している会社、「日産工業株式会社(外部リンク)」の工場があります。

今回は、若者サポートステーション(以下、サポステ)の職場体験を経て就職された、藤村さんにお話をうかがいました。

明確な「何か」がなく、時間だけが過ぎる日々。 とにかくきっかけが欲しかった。

藤村さんは、大学を中退してから20歳の時にサポステにやってきました。

当時は、働くことについてどんなイメージを持っていたのでしょう。

「もう、しんどそうの一言ですね。やっぱり、朝起きて行って、仕事して帰って…働いている人って、どこで自分の時間作るんだろうって。それで働きたくないなぁと最初は思ってた」

時間を仕事に奪われるようなイメージしかなかった藤村さん。自由な時間を失うことから逃れたくてできるだけ延ばしたと言います。

しかし20歳という節目の年、母親とハローワークに行ったのだとか。

「母親から半ば強制で連れて行かれました(笑)。 今は母に感謝してます。自分では行かなかったと思う。とにかくきっかけがなかったから」

「きっかけがなかった」と繰り返す藤村さん。「あれがしたいとかこういう方向が良いとか、仕事の明確な思いがなかった」と言います。

変わらなければと思うけれど、明確な“何か”がない不安から、どこにも踏み出せないでいたのですね。 そして、藤村さんはこのハローワークサポステのチラシと出会い、就活に向き合うことを決めました。

サポステに来て1ヶ月経った頃、3日間の就活プログラム「ツナガリ就活」に参加します。 そこで、まず一歩目の「何か」が見つかりました。

「この3日間で、職場体験という目の前のやることが見つかった。とりあえず一歩踏み出したのは大きい」

半年で辞めようかと思った。 それでも続けられたのは、「お金」と「責任感」。

現在で勤務して2年半になる藤村さんですが、実は、半年経った頃に辞めようかと考えたそうです。どういう事情があったのでしょうか。

「最初はCAD(※図面をコンピューターで作成する仕事)をしていました。悪くなかったんですけど、やっているうちになんか向いてないなぁと思ってきて」

ずっと座っていることも決して楽ではなく、仕事もなんだか面白くない。

就職して半年で、社長に辞めようかと考えていることを話したそうです。すると、ちょうど同じ頃に他の部署で退職した方がおり、仕事に空きが出たのだとか。

「ちょうどレーザーのところが空いたので、じゃあやってみようかという話になった。しかもやってみたら、案外こっちの方が向いてるんじゃないかなって。体を動かしていると一日が終わるのも早く感じて。それで2年続けてるんです」

ここまで続けられたのは、「お金」と「責任感」もあると話します。

「初めてお金もらった時に、欲しかったものがすぐに買えた。これができるんだったら、仕事を続けてもいいと思った」

自分で稼いだお金で自分の欲しいものを買う、この自由さはとても力強かったのですね。

そして責任感。「レーザーの僕がやらない限りは、他の方が仕事がすすまなくなる。その責任感はあります」と語ります。

藤村さんが担っている仕事は、素材をレーザーでカットする加工の一番はじめの工程です。

実際に作業しているところを見学させていただきましたが、注意点や自分なりに工夫しているところなど、頼もしい姿で教えてくださいました。

少し調整が必要な時は、藤村さん自身で図面の修正もするそうです。初めにやっていたCADの仕事もしっかりと活きています。

ただの真っ直ぐな板が、どんどん形になっていくのも面白く、今は他の作業にも興味が出てきているのだとか。

全ての工程がつながっているのだと実感しながら働いているのですね。

「やってみる」を繰り返して今がある。今や一家の大黒柱!

同じようにきっかけがなくて悩んでいる方へ、藤村さんが伝えたいことは「まずはやってみること」。

「僕にとっては、ツナガリ就活に参加するのが一番勇気がいることだった。そこで一歩。職場体験で一歩。ハローワークに連れて行かれたりするのも一歩目になると思う」

振り返ると、現在のレーザーのお仕事も「とりあえずやってみる」から繋がったことです。

「やっと続けられることに出会った。やってみるを重ねての成果だと思う」

最後に、これからの目標や頑張りたいことについて聞いてみると、「他の作業をしてみたい気持ちもあるけれど、一番はもうあと2年は続けたい」と話してくれました。

そしてもう一つ、辞められない事情がありました。なんと、22歳の若さで家を買ったとのこと…!ハローワークに連れて行かれた青年が、今は立派に家族を支えています。

「働かなかったら車も家も買わなかったし、全部ツナガリ就活に参加したのがきっかけで今がある。人生変わりました」

「やってみる」を繰り返した結果、家を買ったことはまさかの出来事だったようですが、「自分の持ちネタ」だと朗らかに笑う藤村さんは、しっかりと今を生きていて、とても大人に見えました。

世の中には、あなたがまだ見ぬ仕事、職場がたくさんあります。 相談してみること、職場体験を利用してみることは、きっとあなたの未来を変えるための一歩になります。 ぜひサポステの門を叩いてみてくださいね。

(取材:中井・靍)

先輩&企業インタビュー

奈良サポートステーションで職場体験から就職された先輩と、体験先企業の担当者様にお話いただきました。

vol.01【先輩インタビュー】あすか燻製工房 前川さん「不安だらけの中、がむしゃらにやっていくうちに、見えてきた自分の道。」
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vol.04【企業インタビュー】フルックス 総務人事部 マネージャー 田村光庸さん 「野菜も人も、我が子のように。」

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